「ねえねえ、おかーさーん!」「あのさ、きいてきいてー!」

ご飯作りながら「うんうん、きいてるよー」「っちょ、あとでいい?」
スマホ片手に「なぁにー」

なんてやってませんか?

こんにちは。ふるやなです。


私、しょっちゅうやってしまいます。

今回は、テロリストを相手にする交渉人が使う、「傾聴」のテクニックをお伝えしようと思います。これすごいですよ。

子供の話を聞くことにコツとかテクニックなんているのか?とお思いかもしれません。

あるんです!コツが!

ちょっと試してみる価値はあるんじゃないかなと思います。

子供自身が「ちゃんと自分の話を聞いてもらえている!」と感じること、すなわち自分をしっかり受け止めてもらえている感覚を持たせられるかもしれません。

ちなみに、参考にしたのはハーバード大学のレポート。ダウンロードしただけで、なんだか賢くなった気がしました!

交渉人とは?

人質を取って立てこもった凶悪犯。それを包囲する警察隊。

凶悪犯は人質の頭に銃を突きつけながら「逃走用のヘリを用意しろー!」などと叫んでいます。

ここで出てくるのが交渉人。犯罪交渉人とも言います。

交渉人は、様々なテクニックを使って犯人を説得し、なんと自首させます。

主なテクニックの流れは、傾聴・共感・ラポールの形成・影響・交渉

なかでも大事なのが、一番最初の「傾聴」です。

「傾聴」とは?

「傾聴」とは、相手の話を徹底的に聞いて寄り添うこと。

交渉人が一番初めに身につけるのが、話をしっかり聞いて寄り添う、この「傾聴」の技術なんだそうです。

黒柳徹子さんの「窓際のトットちゃん」で、トモエ学園の校長先生がやったのはこれかもしれないなと思いました。

ひたすら、相手の話を、聞く。

意外と難しいんですよね。

以下、子供の話を聞くコツ、という視点から傾聴のテクニックをひとつずつ解説していきます。これ身につけたら子育て人生変わるかもです。

子供の話を聞くコツ①傾聴のテクニック

子供の話を聞くコツを身に着けるには、練習が必要です。
傾聴のテクニックを、基本編と上級編にわけて解説します。

傾聴のテクニック:基本編

まずは基本、お約束から。子供の話を聞くコツが詰まっています。

傾聴のテクニック:基本編

  • 口出し・反論・評価は絶対しない。
  • 短く、定期的にうなずく。
  • 相手が言ったことを短くまとめて、「~ということ?」と聞く。
  • 短い質問をはさむ。

うう、子供の話を聞いていると、どうしても口出し・反論・評価したくなるんですよねぇ。反省。

「うん」「そうだね」と、肯定的にうなずきながら聞いて、「それって○○ってこと?」「こういうこと考えてた?」

基本編のコツを覚えるだけでも、子供にとってはすごく聞いてもらえている感じが出るんじゃないでしょうか。

ちなみに、短い質問は自分の興味のある方向ではなくて、子供の話したい方向に話の流れが向くようにします。

傾聴のテクニック:上級編

基本を心に刻んだうえで、上級編。

傾聴のテクニック:上級編

  1. オープンクエスチョン
  2. 意識的に間を作る
  3. 短く同意する
  4. 相手が最後に言ったフレーズを繰り返す
  5. 感情に言葉をつける

特に最後、感情に言葉をつけるのが一番ポイントなんです。

オープンクエスチョン

YES/NOで答えられる質問を、クローズドクエスチョンといいます。

オープンクエスチョンはこれの反対。答えるのに、語らないといけない質問のことです。

たとえば、

クローズドクエスチョン:「今日は楽しかった?」
→YES/NOで答えられる質問です。「うん」で終わるかもしれません。

オープンクエスチョン:「今日いちばん楽しかったこと、何?」
→語らないといけませんよね。

まずは、子供の話を聞くコツは、まず子供にしゃべらせること。

2.意識的に間を作る

子供がしゃべり疲れた頃に、少しだけこっちがしゃべって、一呼吸休憩タイムを作ってあげます。

「そうだね。おかあさんはこうするかなー。〇〇だったらどう思う?」

ちょっと一呼吸置いた子供は、またしゃべり始めます。

3.短く同意する

相槌は短いほうが、聞いている感が出ます。

さらに言うと、人間というものは、いちばん同意してほしい時に相手を見るんだそうです。

というわけで、相手がこっちを見たタイミングで「うん」「そうだね」などと短く同意します。

ちなみに私の経験では、この法則、子供にもあてはまるみたいです。

幼稚園で起こったことを、最初は下のほうを向いてしゃべっていたんです。
しばらく聞いて、目が合った瞬間にすかさず「そうだね」と言ってあげると、身体ごとこっちに向いて勢いよくしゃべり始めました。

4.相手が最後に言ったフレーズを繰り返す

自分が言ったことって、意外と覚えてないもんなんですよね。

試してみたんですが、子供の言ったことを繰り返してあげるだけで、すごく聞いている感が出ているのがわかりました。自分でも、びっくりするくらいでした。

5.感情に言葉をつける

いちばん強力なテクニックがこれ。

子供がその出来事で抱いたであろう感情を、言葉で細かく描写してあげるんです。

人間というものは、自分が感じた感情がすべてです。正義です。

例えば、子供同士でケンカした時。

今までの私の場合だと、ケンカ相手・周りがどう思ったかを説明してしまいがちでした。
「〇〇ちゃんは、おもちゃを取られたから悲しくて悔しかったんだよ。だから叩いたんだよ。」

違ったんですねー。まずは子供の感情に寄り添うこと。
「まっすぐ並べて遊んでいたところに、〇〇ちゃんが来て邪魔されたんだね。それはイラっとしたよね!怒っちゃうね。」

具体例書いていても思いますが、このポンコツな表現力を磨かないといけませんね・・・(´;ω;`)

ともかく、自分のことを理解してくれている!と思ってくれます。

基本編の約束を忘れがちですが、絶対に評価しちゃだめです。「それはダメだよ」とかはなし。今はとにかく、ひたすら寄り添います。

子供の話を聞くコツ②共感する

傾聴を終えたら、次はこれです。共感

もし自分が子供の立場だったら、どう感じるか。自分ならどんな感情を抱くか。
それを言葉にして、伝えます。

意外と、赤ちゃんに対してはやってるんですよ。
「おしっこでたの~。きもちわるかったね~。」とか。

でも大きくなってくると、なかなか共感して・共感を言葉にして・伝える、ことをだんだんしなくなっていくんです。

私の場合、とてもよくあてはまりました。

2歳の妹には「〇〇だったね」「〇〇だねー」とよく言うのですが
5歳の長男には「そうなんだねー」で終わっていました。共感を言語化していませんねぇ。

大きくなって感情が複雑になってくると、言葉にして表現するのが面倒になり、はしょってしまいがちです。反省。

旦那様に対しても、ぜひ共感の言語化を試してみてください。なんか気恥ずかしいですが、練習です!慣れです!

子供の話を聞くコツ③ラポール

ラポール
rapport

言語学,心理学用語。主として2人の人の間にある相互信頼の関係。すなわち,「心が通い合っている」「どんなことでも打明けられる」「言ったことが十分に理解される」と感じられる関係。カウンセリング,心理テスト,教育などの場面で重視される。
コトバンク「ラポール」より

ラポールとは、平たく言えば、心が通い合って、相手が同じものを返してくれる状態。

つまり子供の話をしっかり聞いて理解してあげれば、子供の方もおかあさんの言いたいことを理解してくれる、ということになるかと思います。

言うことを聞かせるより、理解してあげるほうが先なんですね。

まとめ

交渉人の「傾聴」のテクニックを使い、子供の話を聞くコツを考察してみました。

覚えておきたい傾聴のテクニックは以下の通り。

傾聴のテクニック:基本編

  • 口出し・反論・評価は絶対しない。
  • 短く、定期的にうなずく。
  • 相手が言ったことを短くまとめて、「~ということ?」と聞く。
  • 短い質問をはさむ。
傾聴のテクニック:上級編

  1. オープンクエスチョン
  2. 意識的に間を作る
  3. 短く同意する
  4. 相手が最後に言ったフレーズを繰り返す
  5. 感情に言葉をつける

傾聴が終われば、共感・ラポールの形成です。

今からこのテクニックを意識するだけで、親子関係が何か変わるかもしれません。

ちょっと意識しながら子供と話すだけで、人との付き合い方の練習になります。この子供の話を聞くコツ、夫婦関係にも応用してみてはいかがでしょう?