日本の離乳食の常識って何だったの!?
世界保健機関(WHO)の推奨している離乳食(補完食)の進め方を読んで、焦りを隠せないふるやなです。
どうしよう、うちの子まだ間に合うかな?
母乳育児の話なので、うちの子ミルクなんですけど、という方はまた後日改めて。
とりあえず情報シェアしますね。
もくじ
「離乳食」ではなく「補完食」
「離乳食」って日本独特の考え方らしいです。
「離乳食」というと、離乳、つまり母乳を卒業してごはんで栄養補給をする練習、みたいな印象ですよね。
世界の流れは「補完食」。母乳で足りなくなってくる栄養を補う、という考え方です。
6ヶ月までは母乳のみ
6ヶ月まで、赤ちゃんは母乳だけを飲んでいればOKです。
果汁とか湯冷ましとかは必要ない、って話です。
6ヶ月を越えてくると、母乳だけだと栄養が不足してきます。
こんな感じ。このギャップを埋めるために補完食でカロリーと栄養を補うんですね。
おかゆ・野菜・白身魚という離乳食の進め方だと栄養素不足かも?
助産師さんの指導でも、離乳食の本を読んでも、離乳食は10倍粥からスタートしてください!って言われますよね。
10倍粥が食べられるようになったら次のステージ、野菜のすりつぶしたもの。
一か月くらいしてすりつぶした野菜ペーストが食べられるようになったら、たんぱく質を試してみる。まずは白身魚から。
おかゆの方も、10倍粥の次は7倍粥、5倍粥・・・と進めていきます。
でもこれ、WHO基準に照らせば、ちょっと違うのでは?って話です。
何故かというと、栄養の密度が低く、エネルギー(カロリー)が低すぎるから。
10倍粥のカロリーは0.35kcal。
6ヶ月の赤ちゃんが母乳以外で必要とするカロリー200kcalを満たそうとすると、10倍粥なら約570g食べないといけない計算です。
200mlのコップで約3杯です。わーお。とても無理!!
補完食のポイント
補完食、というのも馴染みがなくてピンとこないので、以下「補完食」=「離乳食」として説明します。
何を食べさせればいいの?
離乳食では、主食、たんぱく質はもちろん意識しますよね。
それに加えて、注意すべきなのは微量栄養素です。
- 鉄
- 亜鉛
- カルシウム
- ビタミンA
- ビタミンC
- 葉酸
なかでも最も満たしにくいのが鉄です。
レバーが推奨されているようです。葉酸も摂れるし。
離乳食における脂肪の摂取量
びっくりしたのは脂肪の割合です。
母乳と補完食をあわせた総摂取カロリーのうち、30-45%は脂肪で摂ること!
でも45%以上にはしないように、とのことです。
それってどれくらい?
12か月児の場合で計算してみました。
脂肪の必要量は900kcal x (30%~45%) = 270~405kcal。
母乳中脂肪量3.68g/100g
https://unit.aist.go.jp/riss/crm/exposurefactors/documents/factor/body/mothermilk_fat.pdf
脂肪1gは9kcal。
母乳はほぼ、1g=1mlとみなしていいんだそうです。
12か月児が1日に飲む母乳380mlは 0.8 x 380 = 304 kcal。
母乳中の脂肪は 13.984gx 9kcal =約125kcal
ということは母乳以外で約145~380kcal、つまり16~42gの脂肪を摂取する必要があるということになります。
うちの子食べ過ぎ?小食すぎ?
子供が1回に食べられる量は、体重1kgあたり30mlと言われています。
8kgだと240ml。
1回に240mlしか食べられないので、1日に必要なカロリーや栄養素を何度かにわけて与える必要があるってことです。
おやつに甘いもの、とか言ってる場合じゃないってことですね。
どのくらい食べさせたらいいの?
だいたいどれくらい?というのをまとめた表がこちらです。
年齢 | 母乳に加えて必要なカロリー(1日あたり) | 回数 | 平均的な食事量 |
6-8ヶ月 | 200kcal | 1日2〜3回 | 大さじ2~3杯から始め、徐々に1/2カップ |
9〜11ヶ月 | 300kcal | 1日3〜4食
子供の食欲に応じて1~2回の軽食 |
1/2カップ |
12〜23ヶ月 | 550 kcal | 1日3〜4食
子供の食欲に応じて1~2回の軽食 |
3/4~1カップ |
※1カップ=250ml
ちなみにこの表は、食事のエネルギー密度が約0.8〜1.0 kcal / gの場合です。
それ以下の場合は、食べる量を増やさなければなりません。
母乳のカロリーが0.8kcalなので、母乳以上にエネルギー密度の濃いものを、ということですね。
まとめ
日本式の離乳食の進め方でいくと、問題点がいくつかあるのではと考えられます。
- おかゆはカロリー密度が低すぎる。
- 肉・魚を与え始めるタイミングが遅いので、蓄積タイプのビタミンが不足しがち。
- 油を控えることで、脂溶性のビタミンの吸収率がダウン。
- アレルギー対応で新しい食材を一つずつ試すので、栄養の多様性に欠ける。
WHOの推奨する補完食の考え方はシンプルです。
栄養密度の高いものを与えましょう!食べさせられる固さでね、という感じです。
もっと詳しく知りたい!というあなたには下記サイトをご参照ください。
英語原文で読める方はこちらを参照に。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK148957/
日本語訳では日本ラクテーション・コンサルタント協会のものが読みやすかったです。
http://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/66389/WHO_NHD_00.1_jpn.pdf?sequence=2
母乳と補完食について勉強になったのがこちら。